<若者の声にこたえてー県政への日本共産党の提案>

~はじめに~

 日本共産党山口県委員会は、民青同盟山口県委員会の協力も受けて、この間、青年学生の様々な要求を聞く活動に取り組んできました。

 日本共産党が1月に配布した「青年アンケートチラシ」にはネットのアンケート回答フォームから70通の回答が寄せられました。また、各地方議員のところにも青年の切実な声が寄せられています。

 日本共産党を相談相手に活動している民青同盟山口県委員会は、コロナ禍の2020年以来15回に及ぶ学生食料支援を行い要求を聞き取りました。大学門前や街頭でのシールアンケート、青年の生の声をじっくり聴く「生の声」運動などにも取り組み、約1,500人の青年学生との対話を重ね、要求を聞いてきました。その内容はとても参考になるものでした。

 これらの声を集約し、日本共産党は「県政への日本共産党の提案ー青年の声にこたえて」をまとめました。これを出発点に、引き続き青年のみなさんの声を集めて「提案」を充実・補強してその実現のために様々な方と力を合わせます。よろしくお願いします。 

 *この「提案」は3月28日、党県委員会と民青県委員会の連名で山口県に提出しました。


若者の声を聞く県政、若者が「山口県に住みたい」と思う県政へ

2023年2月 日本共産党山口県委員会の提案ー青年の声にこたえて(第1次)

 

 転出者が転入者を上回る「社会減」は4,141人(2021年)で、2年連続の増加です。とくに20~30代の人口流出に歯止めがかかっていません。自公政権の政治による「東京一極集中」がベースにあり、国の政治のゆがみを正すことが不可欠です。しかしその中でも若者たちが、「山口県で住み、働きたい」と思う山口県へ、県としてできることに力を尽くしましょう。

 

1 若者の暮らしを少しでも応援する県に

 コロナ禍もあって、若者の暮らしはますます大変になりました。働く若者の給料は上がらず、半分近くは不安定な非正規。学生は家庭からの仕送りが減り続け、奨学金はサラ金並みの高利、バイトの時給は最低賃金ギリギリ、そのバイトもコロナ禍で一方的な雇い止め。民青山口県委員会や多くの善意のボランティアによる食料支援が各地で歓迎されていることは象徴的です。

①消費税は5%に減税することを国に求めます。

②中小企業を支援し、全国一律最低賃金を1,500円にすることを国に求めます。同時に、山口県としても、今年、最低賃金が改定された後にも急激に進んでいる物価上昇に見合ってただちに再改定を。

③学生を含む若者世帯への家賃補助制度の創設。

④以前から声が上がっていて、日本共産党もすでに発表した県政政策でも提案していたことですが、今年度から「卒業後県内に居住・就業した若者への奨学金返還額の一部を補助する制度」ができました。この制度の周知とともに、対象範囲などの拡充を。

⑤「子ども食堂」「学生食糧支援」などの自主的な支援活動に県の適切な支援を。

 

2 安心して楽しく暮らせる住みやすい街へ

①自家用車での移動を前提とした交通体系の下、車を自由に使えない高校生、学生などはとても不便です。特に都市部から山口県に来た学生などはその落差に驚きじっと我慢しています。公共交通機関の充実へ、お年寄りと同じように若者にも配慮した施策を。

・列車のダイヤやバスのコースなどについて、高校生や学生の声を聞く仕組みを。

・「市内100円バス」などの施策を、高校生、学生にも適用を。

②学生生活のなかで近隣住民ともっと関わりたい、自治会行事などの案内も知らせてほしいという声がありました。もちろん、そういうのはいらないという学生もいます。いずれにしても、家族から離れて一人暮らしの学生を、学生の気持ちを尊重しながら、地域が見守り応援することは大事ではないでしょうか。

・大学周辺が暗くて街灯がなく、夜の自転車での移動などが不安という声が目立ちました。該当の自治会などともよく相談できるよう学生の不安解消へ行政の支援を。

・自転車での移動での、狭い道での交差点が危ないなど個別の相談もありました。これらの声を警察や行政に伝える仕組みを。

③コロナ禍では「どこの病院にかかったらいいのか」「自宅待機の間、身近な相談相手がいない」「食料などが届かなかった」などの声が目立ちました。家族から離れた一人暮らし、コロナ禍で友達もできていないという中で本当に心細かったでしょう。

・大学と行政の連携を密にし、それぞれの対応を統一的に学生に知らせるシステムを。

・住民票を移していない学生にも支援の手が届くように、大学との連携を。

④「県庁所在地に映画館がない」ということに象徴されるような「文化やイベントの寂しさ」への思いはかなり出されていました。

・県や市などがとりくんでいる施策を、効果的に若者に伝えるための一層の努力を。

・現状を伝えながら、若者たちの具体的な声や要望を取り入れる。そのためのシステムの研究を。

⑤若い世代のがん患者が自宅で療養し介護サービスを利用する場合、20歳から39歳までは介護保険の対象とならないため、全て自己負担となっています。また骨髄移植のドナーとなる方の思いを社会全体で支えることが必要です。

・坂出市などで実施されはじめた「若者がん患者在宅療養支援事業」を実施。

・骨髄バンクのドナーとなる方々に感謝し、さらに広げるために「ドナー休暇」応援制度を実現。

⑥県立高校のトイレに生理用品を設置。

 

3「山口県で夢を持って働き続けたい」と思ってもらえる施策を

 豊かな自然環境や歴史的文化的遺産、工業地帯から農漁山村まで多彩な魅力をもつ山口県。この条件を生かして、本当に若者たちが夢を持って働き新しい未来を展望できる山口県に。

①山口県の自然条件を生かし、バランスの取れた豊かな山口県へすすむためには、中山間地や海岸線に臨む地域を大切にすることが不可欠です。今各地に、農林漁業などに勇気をもって新しくチャレンジする若者が生まれていることは希望です。これらの若者たちに県が率先して抜本的な支援を。

・チャレンジしている若者たちの声を聞き県の施策への反映を。

・農漁業林業などに従事している若い世代への教育、交通、情報などでの継続的な支援を

・新規にチャレンジする若い世代への出発を支援する施策を

②県内の自治体や学校など公的機関での人手不足を非正規の労働者で埋めることをやめ、適正な労働時間など、若者が教職や公務員を希望したくなる条件を確立して正規化をすすめるとももに、正規職員の採用を抜本的に増やし、若者たちが安定して働く場を県が率先して広げます。

・「先生が足りないから学級定数を増やす」という県教委の提案は直ちに撤回します。

③戦争になったら一番の標的になる東アジア最大の米軍基地「岩国」。この危険をますます切迫したものにしている戦争の準備ではなく、憲法九条を生かす平和の外交こそを国に求めます。県民・岩国市民との約束を破って岩国基地機能の拡大強化をすすめることに協力することは直ちにやめ、米軍の都合でなく県民の安全と暮らしを優先する県政に転換。

④福島原発事故から12年。故郷に帰れない若者も大勢生まれました。放射線被ばくの将来の影響への不安もあります。原発の後始末をするのは若者やその子どもたちの世代です。そのような中で、県が上関町への原発建設を、手続き上も疑義のあるやり方で事実上推進していることは許せません。

・県は直ちに原発予定地「埋め立て免許」を撤回。

・中電による祝島漁民の恫喝裁判をやめさせるよう、最大株主としての県の責任を果たす。

⑤学校は若者にとって懐かしい思い出であるとともに、地域再生の拠点です。県立宇部西高校や同高森みどり中学校の廃止など、一方的な学校統廃合に反対し、住民合意で小規模校を残す取り組みを支援。

⑥この間、基本的人権を尊重し、様々な差別を克服する大きな流れがすすんできました。さらにジェンダー平等の山口県をめざすなど、残されている差別の克服への県政の責任を果たします。

・同性カップルであることを届け出ると、親族同様の公的サービスを受けることを可能にする「同性パートナーシップ条例」を制定。

・選択的夫婦別姓の導入、同性婚を認める民法改正を国に求めます。

・朝鮮学校等に対する「私立外国人学校特別補助金」を当初予算に計上します。

 

4 公正で開かれた県民主人公の県政運営を

 公選法違反(公務員の地位利用)で有罪となった県庁ぐるみ選挙や、県民の意見の対立をあおりたてた安倍元首相の国葬、県民葬での弔意の強要、2,090万円のセンチュリー「貴賓車」購入とそれを議長が使用していることなどは全国で話題にされ、「ああ、あの山口県」と言われることもありました。若者が誇りをもって山口県を誇れる、明るく不正のない県政にすることを求めます。

・公正であるべき県政が、その地位を利用して自民党を応援することが当然という違法な実態を明らかにし、これを根絶するための具体的な対策を。

・前副知事から県幹部に自民党候補の後援会入会を勧誘するよう依頼した団体、人物を告発します。

・若者を洗脳して霊感商法などの犯罪行為に引き込み、その未来を奪った統一協会。それと関連がある団体を対象に、表彰やイベントの後援、補助金等の支出を行った事例などを調査し、公開します。